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　今回は、名義預金や名義保険にならない様、取り扱いにご注意を頂きたい、という願いを込めて、コラムを上梓申し上げたく存じます。
　子や孫、妻や夫のためにと思ってお金を出してあげたつもりが、意図通りになっていないと認定されてしまうことが起こりがちですので、今後そういったことにならない様、正しく贈与を実行して頂くことを願っております。

 

１．名義預金、名義保険とは

　そもそも名義預金、名義保険とは、実質的な預金者、保険契約者と、預金口座名義、保険契約名義とが一致していない場合の預金、保険契約のことをいいます。

 

　例えば、おじいちゃんおばあちゃんが、子・孫のために、自分でお金を出して、子・孫名義の預金を作ったり、保険に入ってあげるような場合はよくあります。純粋に子・孫にお金をあげたいという気持ちから出るものですが、状況により、お金や保険が子・孫のものと認められない場合があり、これを名義預金、名義保険といいます。

従いまして、名義預金、名義保険という言葉が登場してくる場合は、当事者にとってはあまり良くない場合と考えておいた方が良さそうです。

 

２．名義預金、名義保険が問題となる場面

　名義預金、名義保険が問題とされる場面は、相続が典型的です。

　先ほどの例では、おじいちゃんおばあちゃんが、子・孫のためにお金を出してあげる結果、相続財産が減ると効果をもたらし、結果として相続税が減少することとなります。

　本来はそうあるべきですが、名義預金、名義保険と認定されてしまうと、出してあげたはずのお金は、まだおじいちゃんおばあちゃんのもののままであるとされてしまいます。

 

　その結果、おじいちゃんおばあちゃんに相続が発生した際には、名義預金、名義保険に相当する金額も相続財産として持ち戻され、思わぬ相続税が課税されてしまう虞があります。

　こうした事態は、正しい知識を得て確り回避するようにして頂きたいと思います。

 

３．名義預金、名義保険とされないようにするには

　名義預金、名義保険とされないようにするにはどうすれば良いでしょうか。それは、渡してあげたお金が、名義上も、実質的にも、きちんと子・孫のものになる様にすることです。

 

具体的には、以下の点に留意する必要があります。

○預金通帳、預金証書、保険証券などは、あげた相手に渡すこと。相手が未成年者の場合には、親権者等の保護者に渡しましょう。
○預金の届出印は、ご自身が普段使っているものとは別のものにし、届出印は、相手方または親権者に渡すようにしましょう。
○保険料が、ご自身の口座から直接に引き落とされるような払込みは回避しましょう。保険料相当額は、名義人が払い込んだかたちになるようにしましょう。

 

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今回も、最後までお付き合い頂きまして、誠にありがとうございました。

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