来年は生前贈与を考える年 税制改正大綱発表を踏まえ
早いもので、激動の2022年も年の瀬を迎えました。皆さまにとって、今年はどのような1年だったでしょうか。
当コラムも本年最後となりますが、今回は、先頃発表された税制改正大綱に謳われた、贈与税・相続税を巡る改正内容の主なものについて、ご紹介させて頂きたいと存じます。
相続税の計算上加算する生前贈与の期間延長 3年から7年へ
所謂「相続開始前3年内贈与加算」に関する改正です。
令和6年1月1日以降の贈与については、相続開始前7年以内(現行3年以内)に贈与により取得した財産額を相続税の課税価格に加算する、という制度に変わります。
生前贈与加算の対象とされる期間が拡大されますので、相続税対策として生前贈与を検討するのを前倒しする動きが出てくることが予想されます。
相続時精算課税制度に基礎控除110万円導入
相続時精算課税制度とは、贈与時に軽減・簡素化された贈与税を納付しておき、相続時に、累積贈与額を相続財産計算時に加算して、相続税を課税するというものです。累積贈与額2500万円までは非課税で、2500万円を超えた部分に20%の贈与税課税がされます。納めた贈与税額は、相続税額から控除される、ということになります。
従来は、相続時精算課税を選択した場合、暦年課税のような基礎控除といったものはありませんでした。ところが、令和6年1月1日以降の贈与については、毎年110万円の基礎控除が認められるようになります。
現行制度においては、相続時精算課税それ自体に、節税効果があるわけではないと言われてきましたが、今回の改正で基礎控除が認められるようになり、相続時精算課税にも一定の節税効果が期待できるようになる、ともいえます。
暦年課税、相続時精算課税を総合的に検討することが肝要
ここまでご紹介してきた通り、来年は、相続税・贈与税に関する大きな改正が行われる見通しです。新税制が適用されるのは令和6年の贈与からとされていますので、改正前の税制が適用されるのは来年令和5年分の贈与まで、ということになります。
従いまして、来年は、従前より増して生前贈与が活発に行われるのではないか、と予想しています。
ご自身にとってどのように対応していくのが適切なのか、税負担の経済効果という面のみに留まらず、暦年課税、相続時精算課税をどのように活用していくのか、よく検討すべきタイミングであると考えます。是非、専門家を交えて、議論されることを切にお勧め致します。
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どうぞお気軽にお声掛けくださいませ。
今回も、最後までお付き合い頂きまして、ありがとうございました。
皆さま、よいお年をお迎えくださいませ。
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