相続放棄があった場合の効果・影響に留意しましょう
今回は、相続放棄を巡り、正確な理解をしておきたい点について、ご紹介します。
相続放棄があった場合、正確な知識を持っていないと思わぬ落とし穴に落ちてしまうリスクがありますので、皆様にそういったリスクをできるだけ回避して頂ける様、注意すべきポイントをお示しします。
1.相続放棄があった場合、初めから相続人でなかったものとされる
相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす、と民法939条に規定されています。
例えば、父、母、長男、長女、という構成の家族を想定します。ここで、父に相続が開始したとして、何等かの理由で長男が相続を放棄した、とすると、遺言がない場合には、母、長女で遺産分割協議をすることとなります。
更に、長男には配偶者と(父母から見て)孫がいるとした場合、長男が相続放棄をすると、孫は長男の代襲相続人にはなれない、という影響も生じますので、注意が必要です。
尚、相続放棄をした場合であっても、その者が生命保険金受取人に指定されている場合は、生命保険金を受け取ることができます。生命保険金は、受取人固有の財産とされているため、相続放棄の影響を受けません。
但し、後述する生命保険金の非課税枠の適用を受けることはできませんので、その部分で不利になります。
2.相続放棄があった場合でも、「法定相続人の数」「法定相続分」で計算がされる場合
上記1.の例では、父に相続が開始された場合の法定相続人は、母、長男、長女です。誰が法定相続人に該当するかについては、民法887条以下に規定されています。ここでは詳細の説明は割愛しますが、配偶者、子、場合により、父、母、兄弟姉妹などが該当します。
長男が相続放棄をした場合、長男は「法定相続人」ではありますが、「相続人ではない」ということになります。
一方で、相続税関連の計算をする場合に、相続放棄の影響を受けず、法定相続人の数、法定相続分を基礎とする場合が、以下の4通りあります。
(1)相続税基礎控除額 3,000万円+600万円×法定相続人の数
(2)生命保険金非課税枠 500万円×法定相続人の数
(3)死亡退職金非課税枠 500万円×法定相続人の数
(4)配偶者の税額軽減 法定相続分もしくは1億6,000万円までなら相続税非課税
尚、上記1.で触れたように、生命保険金は、相続放棄をしても受け取れますが、(2)の非課税枠の適用は受けられないので、注意が必要です。
前回アップさせて頂いてから再び随分と時間が経ってしまい、お詫び申し上げます。
今後は、インターバルを極力短くし、わかり易い表現で、情報を提供して参る所存ですので、引き続き、お付き合いくださいます様、お願い申し上げます。
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今回も、最後までお付き合い頂きまして、誠にありがとうございました。
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